当施設は、研究・開発・教育目的であれば学内だけではなく、学外の方にも利用を開放しております。
照射方法の相談や利用予約等については当施設管理責任者の今井まで電話かメールでお問い合わせください。(連絡先は下記)

東海地区最大の汎用型γ線照射装置
名古屋大学 コバルト60照射装置

━━━1.社会を支える放射線

  • 図1. 社会を支える放射線
    外敵から人間を守る放射線 ガン治療
    医療器具の殺菌
    害虫の駆除
    新しい目を与える放射線 病気の診断
    非破壊検査
    新しいものを作り出す放射線 工業への利用
    農業への利用
    新しい可能性と放射線 原子力エネルギー
    宇宙開発

  •  今や放射線は社会の様々な分野で利用されており、 それに関連した基礎研究は一層重要になってきている。
  •  図1に示すように医療、農業、工業さらに原子力発電や 宇宙開発等において、放射線は我々の社会と切り離せなく なっている。大学ではその基礎研究をする責務を負っている。


━━━2.名古屋大学コバルト60照射室の特色

  • 1) 多面的な利用研究
  •  本大学では全額の共同利用施設として、各学部の代表者からなる放射線利用委員会が運営に当たり、多面的に研究を行ってきた。工学・生命農学・理学研究科を 中心に毎年ほぼ10研究室が利用し、稼働率は平均 100%と極めて高い。名大以外にも、他大学や独立行政法人の研究機関、民間企業等が利用しており、 東海地区の放射線利用研究のセンター的役割も担っている。

  • 2) 長期間にわたる長い研究
  •  昭和38年に照射室が設置されて以来、名古屋大学の支援のもとに7回の線源増強と、昭和62年、平成26年には装置の設備更新を行い、50年以上の長期間にわたって装置の維持・管理を行ってきた。長期間、業績を出し続け維持管理をすることは容易ではなく、他大学や他研究機関が維持できなくなる中で、名古屋大学コバルト60照射室は、現在では東海地区最大強度を有する放射線装置となっている。この維持・管理が長期間の研究を可能とし、多くの国際的にも独創的研究が誕生した。

  • 3) 世界に誇る独創的研究成果
  •  多くの優れた研究の一部を述べる。
  • ・耐放射線抵抗性のマウスの系統を世界で初めて作り出す事に成功した(近藤教授[農])
  • ・量子力学的トンネル反応という新しい化学反応を国際的にも最も明確に実証し、極低温科学を切り開いた(宮崎教授[工])
  • ・光ファイバーを使った新しい放射線強度分布測定法を開発し、日本・アメリカ・スウェーデン等の原子炉で使用された(森教授・井口教授[工])